温清楼

泉質:単純温泉放射能

この温泉が私の温泉好きの始まりでした。
中学一年の夏、家族で旅行をする事になり、以前からテレビで温泉番組を見ていたからか、私から温泉に行きたいと言い出して、父はかなり吃驚して『もう二度と温泉なんて嫌だ』というであろうと敢えて鄙びた温泉を選んだのがここ「温清楼」
大阪を朝起きたとこ勝負で出発し、一路関金温泉へ。
途中で鳥取砂丘にも寄り道をしてみたり・・・初めて登ったけれどかなり疲れた(^^;
靴は砂まみれになっちゃうので、途中から靴も靴下も脱いで裸足で登ってみたり・・・
登りきった景色は綺麗だったなぁ〜
その後も私は助手席を陣取り、読めない地図を見ながらニコニコ♪

そして、たどり着いた宿「温清楼」はとても家族的な所だった。
思わず「ただいま」といいたくなるような玄関。
想像するお婆ちゃんの家に来たような雰囲気があって・・・
その時泊めて頂いた部屋が露天風呂のまん前のお部屋。
なので、混浴の露天風呂には誰も入っていない時間帯を見計らって入る事にし、まずは内風呂である水族館風呂へ。
余り手入れされている水槽ではなかったけれど、鯉等を見ながらの内湯は面白かった。
何よりもここのオススメは露天風呂。
151cmの私が手を上に伸ばした位の長さの正方形の木枠の露天風呂が二つ、湯底には年に二回新しくされる青竹を半分にしたものが敷かれていたり・・・
この露天風呂は湯船につかると自分が白く見えるのが不思議♪
そして熱くもなくぬるくもなく・・・
一つずつすこ〜し湯温が違うように思ったけれど、きっと源泉から近い湯船とそうでない湯船の違いなんだろうな
このお風呂からは宿の中庭とでも言うのか、そういう風景が堪能できる場所でかなりのんびり出来ます。

宿は田舎風の宿で、ホント田舎のおばあちゃんの家に来た気分。
柱や廊下・縁側などは歴史を感じるというか・・・当時は廊下が歩くとミシミシいってたり(笑) トイレも共同でしかなく裸電球のトイレ。
昔いろんな丸の形をしたタイルあったの知りません?トイレといえば・・・と言った形の
・・・分かるかなぁ(^^;
当時中学生だった私には薄暗くミシミシ言う廊下を抜けて裸電球の薄暗いトイレに夜一人でトイレに行くのはちょっと辛かったけど、ホントに現実世界から離れられる場所・・・それがこういう温泉なんだなって勝手に解釈し、それ以降こういうのんびりできる温泉に嵌りました。

当時は女将さんがお婆さんだったんですが、また人のよさそうな方で、思わずチェックアウトする時も「又来るね、おばあちゃん♪」と言いたくなるそんな方でした。
あの頃は確か日本秘湯を守る会にも属していた筈。
仲居さんもかなりご年配の方が多かったですが、部屋食の配膳の時などに昔のお話が聞けたり、宿に来たというよりはホントにお爺ちゃんお婆ちゃんのところに遊びに来たような不思議な感覚にさせて貰いました。
帰りに大山・蒜山高原に向かったのですが何せ大雨。確りと大山を見る事が出来なかったけど、帰路の高速から頂上だけ見ることが出来たように覚えています。

それ以降も高校時代に家族と、大学時代にNIFTYの温泉フォーラムのオフでこの宿を訪れたけれど、その時には女将が代替わりをしていたようで昔のようなどことなく懐かしい雰囲気をかもし出すものはなく、昔の方が良かったなと思ってしまい、以降私の定宿になることはありませんでした。
高校時代に行った時はまだ以前の女将さんが大女将として宿にいらして多少は目を光らせていらっしゃったのでまた昔のような宿に戻るかなと期待していたけれど、大学時代に行って、「やっぱりダメだったのね」と思わざるを得なかったのはちょっと寂しかったなぁ。
お盆とお正月に湯底の竹を新しくすると聞いていたけれど、未だその時期に行ったことがないので、これから先機会があれば一度訪れたいなぁ。

確か「温清楼」の「清」はにすいだった筈(^^;
変換しても出ないのでさんずいを使用しました。