はず合掌

泉質:ここは天然温泉ではなく薬湯(枇杷の葉がつけてありました)

7年ぶりに「はづ」グループに宿泊。
結婚して以来入籍した日に近いこの時期の連休に温泉旅行をしているんだけど、今回は『社会人になってからというもの、父や祖母と一緒に温泉に行く機会が減ったなぁ』という話から、父と祖母も一緒に行こうと去年の秋に計画。場所的にも私たちと実家の中間地点になるであろう愛知県で、なおかつ父や祖母も含めて皆がゆっくり出来るだろうと、以前から一度行ってみたかった『はづ合掌』を予約する事に。
この宿は1日5組限定のお宿。なので結構早いうちから予約を入れておかないと希望する日にちに取れないこともある。今年は父が一年早い早期定年退職をしたし、祖母の年齢的にも先延ばしにしすぎると体力的に旅行が厳しくなってしまう・・・また私たち夫婦も別にディンクスを希望してるわけじゃないのでこれから先妊娠・出産とかいう事態になったらそれこそ暫く『はづ合掌』は旅行の候補には出来ない・・・という事で、思い立った時点で「はづ」にメールで問い合わせをし、そのまま電話での確認事項を済ませて予約となった。ここは厳密に言えば温泉じゃない。薬湯にしてあって、グループ内の旅館の天然温泉を利用できるという具合。どちらかというと合掌造りの宿の雰囲気とこだわりの京風懐石を楽しむ宿という方が正しいかもしれない。
結果的には妊娠8ヶ月というある意味旅行できるギリギリのラインであり、暫く温泉旅行を中断することになる中間締めのような旅行となった。
豊橋で待ち合わせをし、飯田線での電車の旅。以前はなかった「ワイドビュー伊那路」という特急で湯谷温泉まで行くことに。在来線に比べると約20分の短縮。膝の弱い祖母には少しでも移動距離は短い方がありがたいので、時の流れに少しだけ感謝(笑)豊橋の駅で「はづ」に連絡をいれ着時刻に合わせて迎えに来て貰った。
久しぶりに降りた湯谷温泉駅は7年前と変わっていなかった。改札も何もない駅。列車の中で車掌さんが切符を回収して回るスタイルだ。電車を降りると作務衣の上にスカート姿の仲居さんらしき人が迎えに着て下さっていた。『はづ』の他の宿はこの湯谷温泉駅の目の前にあるのだが、『はづ合掌』だけは車で5分〜10分の所にある。
#歩くことも出来るけど山あいの川沿いの散策道を30分ぐらいテクテク歩くことになる。
宿に着くと「お帰りなさいませ」と迎えてもらい、テラスで鶯豆の水羊羹とお抹茶を頂いた。このもてなしもある意味このグループの特徴。しばしテラスでくつろいだ後、温泉や食事どころの案内を受け、部屋へと通してもらった。私達の部屋は和室とベッドルームの付いた2階の『SAGISOU』という突き当りの部屋だった。部屋の中はちょっとした家のようになっていて2つのベッドが置かれてる部屋と和室、あと上がり口を上がったところにテーブルと椅子のあるちょっとしたくつろぎスペースがあり、そのおくにはトイレと洗面台とお風呂。部屋は和室とこのタイプとあるとは聞いていたのだが、男性二人と女性二人という形でお願いしたので、この部屋になったのかなぁ?なんて思いつつ合掌造りの室内をしばし写真に納めて時間を過ごした。
暫くしてお風呂に入ることに。宿に着いたときにまず通されたテラスで外履きに履き替えて山肌の階段を少し下りたところにお風呂がある。昼間は岩の露天風呂になっている方が殿方、夫人は檜の半露天風呂で、午後9時で入れ替えとなり24時間利用できる。洗い場は岩風呂の方が3つ、ヒノキの方が2つと少ないが、もともと5組限定の宿なのでそうそう宿泊客と重なることもない。湯船には枇杷の葉を詰めた晒の袋がつけてあり、それ程高い温度のお湯ではないが、体はかなり温まる。夏場ということもあると思うが、短時間の入浴でも湯上りはかなりホクホク状態。
湯上りは先ほどのテラスに置かれている冷たい薬草茶を頂くことが出来る。今回置いてあったのは「枇杷の葉茶」と「どくだみ茶」どちらも氷水で冷やされていてキンキンに冷たくなっていて、お風呂上りに頂くととても気持ちがいい。
湯上り落ち着いたところで夕食。ここは部屋食ではなく、1階にある食事どころで頂く。料理は京風懐石。かなり手の込んだお料理の数々で目で口で楽しめるお料理の数々だった。いつもなら日本酒を頼んでしまう父も「今日は料理を楽しもう」といって日本酒を頼まなかったほど。デザートに至っては「この中から選ぶの?」といいたくなる品数が少量ずつあってそれだけでも幸せ気分♪食後にコーヒーか紅茶をいただけるのだけど、そこでもまた一口サイズのシフォンケーキがついてきてデザート大好きな私は大満足(^-^)部屋に戻ると一口サイズのおにぎりとお冷が置いてあり、『お夜食にどうぞ』と書かれていた。確かに夕食で茶粥やうどんが少し出たがお茶碗でご飯という感じではなかったので、夕食後暫くしてお風呂に浸かった後に食べるにはもってこいの大きさで、その心遣いが嬉しいところ。
翌朝の朝食もいろいろな種類のものが並び、その場で作っていただく桶豆腐もあって朝から普段食べないくらいの量を頂いた気がする。
チェックアウトも11時なので結構ゆっくり出来てホントのんびりさせてもらった。今回私が妊婦だということもあって、食堂のエアコンの空調とか階段とかいろいろ気にしていただいて申し訳ないなぁ〜と思いつつ、さりげなくそういう心遣いが出来るって言うのは教育のなせる業なのかなぁ〜とも思ったりした。
祖母には少し露天風呂までの階段がきつかったようだが、父も祖母も大満足の様子で「今度はのんびり車で来たらいいなぁ」なんて言葉も飛び出したほどだった。